さて、安レレと高レレ。
結局どうなの?何を選べばいいの?ということについての続編。
安レレがいいといっておいて、結局高いやつがいいんでしょ?という声がビシバシ聞こえてきました!
そうですよね、そうなんですよ。そう読めちゃいますよね。
結局出会いなんだと思うんです。値段は後からついてくるもの。私が出会った良い音レレは、結果として値段がちょっと・・・だっただけ。値段が高かったから良かったんじゃないんですよ!この違いは大きいんです!
出会ったウクレレが良いと思ったら、それがいいのだと思います。それが一番です。でも、それじゃぁ出会えなかったらいつまでたっても、ウクレレ始められないじゃないですか・・・。
あまりにも、安いのはダメ、最低でも1万円以上!などと切り捨てる記事を見ると、そんな記事を見る前に1,980円スタートしてしまった私は、切り捨てられちゃった気がして、果たしてそうなのか?と思ってしまったもんで。
自分自身、未だにその1,980円レレが、そんなに酷いものとは思ってなくて、それは園で買った物だから自分のを買おう!と思ったが最後、私のもとではウクレレが増殖し続けているのです。
残念ながら、園で買った1,980円レレは、付属品は何もなく、ケースやチューナーはついていませんでした。さらに今はカタログ落ちしていて購入することは出来ず、直接比較は出来ませんけれど、ケースやチューナーなどを購入したら、もう少しかかりますね。
ウクレレを買った本数だけは、価格の分布に偏りがあるものの、それなりの数になるので、私なりの考えを述べさせていただいてきました。そしてそれも、私の勝手な意見ですから、どうでもよいことなんです。
今のところ高レレは1本しか持っておりませんので、高レレについても、もちろん全てを語ることなんて到底出来ません。しかし、私としては持っていて嬉しいのです。琴線に触れる音であるばかりでなく、綺麗なグロス仕上げのハワイアンコア単板のボディや、アバロンのインレイ、真っ黒なエボニー指板など、見た目も良いと思います。私にとっては特別な1本です。
ただ、「琴線に触れる音」も、私にとって琴線に触れる音であって、全ての人がそう思うかは別ですよね。さらに、「琴線に触れる音」だと思っても、どのくらい価値があるのかは、人によって様々な感じ方があるでしょう。そして、仮に素晴らしい価値があると思えても、金額にしてどれだけに値するかも、人によって違うはず…。
それはたとえ安レレであっても、同じはず。良いと思う人がいればよくないという人もいる。そのものの価値なんて人それぞれです。いくらハワイアンコアの木が伐採出来なくて貴重であっても、マホガニーの音が好きな人には関係ないこと。結局のところ、それが好きかどうかなんだと思います。
ここで、思い出しました!
私は、「標準の」ウクレレを持っていませんでした!ウクレレ先達の皆さんがおすすめされるウクレレがどんなものか知る必要があります!それを知らずして何をかいわんや!そこで標準レレ買いました!
かの「有名」なフェイマスのFS-1Gです。ケース付きで2万円と少ししました。

で、どうなの?
手元にある、フェイマスの発売元キワヤ商会が海外で作っている(フェイマスは日本製)KIWAYAのKSU-1(送料無料でチューナーとケースがついて8,800円でした)と比べてみましょう。(上の写真で左がFS-1G、右がKSU-1です)
どちらもマホガニーのボディです。色はKSU-1の方が濃い色。デザインは似てますが、微妙に違う形をしています。KSU-1が12フレットまでしかないのに対して、FS-1Gは15フレットまであります。サドルもFS-1Gの方が複雑な形をしていて、オクターブピッチにこだわりが見えます。ペグもFS-1Gの方がスムーズ。サウンドホールはKSU-1の方が大きいです。音量はFS-1Gの方が大きいですね。胴がよく鳴っている感じがします。その分音質も中低域がふくよかです。逆に言えばKSU-1の方がスッキリしているかも知れません。この辺は好みでしょう。
構造的に大きな違いは、フレットの数。私のような初歩的なコード弾きしか出来ない者にとっては、12フレットでも全然問題にはなりません。それ以上のフレットは、今後演奏の幅が広がった(広がるといいなぁ)時に生きてくるものですね。ペグについては、FS-1Gの方が値段の違いを感じられるくらい(当社比)滑らかに動きます。正直びっくりしました。想像以上にチューニングが楽でした。オクターブピッチは、実際にチューナーで測ってみたら、KSU-1の方が正確でした!でも、実はKSU-1の方は、自分でサドルを削ってギリギリまで弦高下げています。弦高下げた方がオクターブピッチには有利のようですから、そのせいかも知れません。これにもちょっとびっくり。
裏側を叩いてみたら全然違う音がするので、サウンドホールから中をのぞいたら、KSU-1には裏側のボディに1本横に補強材が入っていました。FS-1Gには入っていません。補強材がない分振動が大きいようです。FS-1Gの方が鳴るのはこの辺の違いがあるかもしれません。
フェイマスをウクレレ先達の皆さんがおすすめされるだけはあります。やっぱり素敵レレですね。そのことに間違いはありません!どちらかを買うとなった時には、値段を考えなければ、FS-1Gを選ぶのではないかと思います。鳴りが良いですしペグなどの作りの良さも感じますから。ただ、実際には倍以上の価格差があります。そうなると・・・。やっぱり微妙になってきませんか?
音の良し悪しや、弾きやすさなどは、個人の感覚です。楽器屋さんで並んでいるウクレレを全部順番に弾かせてもらってもどれか一つ選ぶのは難しいかもしれません。色々試すと余計にわからなくなったりします。実際には価格も関係しますからさらに。実際には予算を告げて店員さんに選んでもらうことになるのではないかと思いますが。
私自身、最初に自分のウクレレを買うときには、「上達しないかもしれない」「飽きてしまうかもしれない」といったネガティブな思いもありました。その中で、「飽きて弾かなくなってしまっても、このくらいの金額なら自分の経験を増やすための投資として納得できる」という基準プラスαで予算を決めていたのは事実です。実際には、園のウクレレを弾いていたらハマってしまっていたので、全く経験がない状態でのスタートではなく、ある程度「やる」つもりで3万円ぐらいのウクレレを買いました。
全く経験がない中で考えると、やはり初期にかかる費用を低く抑えたいのではないでしょうか?最初の一歩を踏み出しやすくするためには、気軽に手に入れられるウクレレ買って、とにかくガシガシ弾いて、ウクレレと仲良くなる!そして、2本目が欲しくなったら、ガシガシ弾いた経験をもとに、2本目を慎重に選べばよいと思います。
2本目を購入することを前提にしている部分は多分にあるのですが、あまり考えずに1本目を買ってしまったら、すぐに2本目が欲しくなってしまうかもしれません。でも早かれ遅かれ、1本目にフェイマス買っても、カマカ買っても2本目欲しくなると思います。ソプラノから始めたら、コンサートやテナーといったサイズ違いが欲しくなったり、アンプに直接つなげられるピックアップ内蔵のもの、違った格好のものや、違う材の違う音質のものもあります。またLowG弦を張ってみたいという事も出てくるかもしれませんから。
まず、気軽に始めていただきたいのです。それゆえに安レレを勧めています。そして気楽に始めることに応えてくれる安レレもたくさんあると思っています。臆さずに始めてください。きっと魔法の楽器ウクレレが人生の幅を広げてくれると思います。当園のウク壁にも色々な安レレ君たちがおりますので、ウクレレ広場などで、ぜひ触ってみてご自分のウクレレを選ぶための目安にしてください。
次回のウクレレ広場は、7月10日(日曜日)です。
Uku爺